本日は「HG ガンダムエアリアル」のレビューです。
発売は2022年10月。
頭部の緻密な設計や、当時の最新技術・インモールドパーツなど、「水星の魔女」の代表商品としてバンダイの気合を感じられる一品です。
まずはキットデータから。
参照:バンダイホビーサイト|HG 1/144 ガンダムエアリアル
ガンダムエアリアル
スレッタ・マーキュリーが学園に持ち込んだMS。人体を模したジョイント(関節)をEMT(電動モーター)で駆動させる基本構造は他企業のMSと同じ既存の規格であり、一般のパイロットにも扱うことができる機体ではあるが、スレッタが搭乗することで従来とは一線を画した性能を発揮する。その力は新鉱物パーメットを媒介にし、人間拡張を目的とするMS用システム「GUND(ガンド)フォーマット」を採用したGUND-ARM、通称「ガンダム」と呼ばれる禁じられた機体の特徴に酷似するものであった。
バンダイホビーサイト|WEB取説|HG 1/144 ガンダムエアリアル
ガンダムエアリアルはアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」に登場する機体。
主人公「スレッタ・マーキュリー」の愛機として「決闘」に参加し、恐るべき性能で学園のエースパイロットたちを打ち破っていきました。
今回は既存ディテールのスジボリ、スミ入れ、筆塗り部分塗装ののち、仕上げにプレミアムトップコート(つや消し)を施しています。
詳細な塗装箇所は「塗装箇所」の項で。
新作アニメの主役機は新規層の入門キットとなることが想定されているため、作りやすいものが多い……とは私の分析ですが、本キットも組み立てはストレスなく行えました。
ただ、後述するシェルユニットのシール貼りは難易度が高いです。
展開時期が重なっていたせいか、エンゲージガンダムと被って見えるのは私だけでしょうか。
股間部分には3mm穴があり、アクションベースや魂standに対応しています。
頭部
9パーツ構成という力の入れようで、ツインアイやリアカメラまで色分けされています。
ホイルシールも付属していますが、説明書には「お好みで使用」の記載あり。
ちなみに、写真はシールを使用した状態です。
反射する分、センサー感が増します。
センサーシールは緑だけでなく赤も付属。
ただ、エアリアルの目が赤くなる展開は本編になかったため、改造用・アレンジ用の扱いです。
放送当時は赤目シールを根拠に「エアリアルに暴走モードがあるのでは⁉️」と噂されましたが、噂は噂のままでしたね……。
G-セルフ同様、目が大きくデザインされており、角度によって顔つきが変わって見えます。
下から見ると子どもっぽくもありますが、正面はなかなか鋭い。
アンテナは安全フラッグを切り、棒ヤスリで整えています。
切りすぎると不格好になるため、コツと経験が必要です。
シェルユニット
パイロットと機体間での膨大な情報伝達と処理を可能にする制御端末。ガンビットを運用するなど、GUNDフォーマットの稼動レベルが一定の強さにまで達した際に発光する。
バンダイホビーサイト|WEB取説|HG 1/144 ガンダムエアリアル
水星の魔女のガンダムタイプに共通して備えられている「シェルユニット」。
通常は黒一色ですが、機体とパイロットのリンクが強くなるにつれて模様が浮かび上がり、接続の強さに応じて赤▶青▶白▶虹色の順に変色する設定です。
キットには赤く発光した状態と、非発光状態をイメージしたシールが付属。
貼り替えは不可能に近いため、どちらかを選択して組み立てます(写真は発光状態)。
膝とバックパックはクリアパーツの裏面にシールを貼る構造で、キレイに貼るのが大変です。
胸部の◎と頭部は非発光状態のシールが用意されていません。
したがって、非発光状態で組み立てると下地が露出します。
特に頭部は下地が赤で目立つため、素組みでは注意してください。
胸部パーツは通常のクリアパーツ(写真左)に加え、模様が印刷された「インモールドパーツ」(写真右)も付属しています。
どちらを用いるかは選択式。
今回はインモールドパーツを使用しました。
可動範囲
腕は120度ほど(写真左)。
肩もよく動きます(写真右)。
HGでは珍しく、肩関節の上に装甲を被せる構造なので、動かし慣れるまで少し時間がかかるかも。
反る姿勢は左の状態が限界。
HGの標準レベルではあるものの、腰可動に物足りなさを感じることもありました。
膝関節は160度ほど曲がります。
足首はC型ジョイントになっていて……
前後可動が広くとられています。
接地性・ポージングの両面でありがたい構造です。
開脚も180度可能。
股関節は写真左の赤いラインから外側には動かせません。
いつもの感覚で力を入れるとポッキリいきかねないため、注意です。
フロントアーマーは中央で切断すると、独立可動できるようになります。
パーツが厚く戸惑うかもしれませんが、パチっとしてOK。
説明書には記載されていないものの、バンダイも推奨されている手法です。
ぜひお試しを。
不満も書きましたが、可動は非常に優秀です。
キービジュアルでおなじみの膝立ちポーズもバランスよく再現できます。
付属品
ビームサーベル
グリップ部分のセンサーと連動し、ビーム刃を発生させる近接戦闘用の兵器。
バンダイホビーサイト|WEB取説|HG 1/144 ガンダムエアリアル
ビームエフェクトは2本付属。
アニメ版の緑ではなく、初期PV版の青です。
アニメに寄せるためには他キットから流用するしかありません。
両手持ちはやや窮屈。
通常はバックパックに装着されています。
接続部は可動しません。
グリップの接続がきついため、ポッキリしないよう注意。
エスカッシャン
人と機体を有機的にリンクさせるGUNDフォーマットを用いた次世代群体遠隔操作兵器システム、通称「ガンビット」で構成された多目的攻防プラットフォーム。分離可能な各ビット(ビットステイヴ)に内蔵するビームキャノンによる機動砲台や、シールドとしての運用が可能。
バンダイホビーサイト|WEB取説|HG 1/144 ガンダムエアリアル
11基の遠隔操作兵器「ガンビット」で構成され、攻防の役割を兼ねています。
写真のようにシールド化した状態は「コンポジットガンビットシールド」と呼ばれます。
接続はジョイントを差し込む形式です。
写真のように、回転させて角度をつけられます。
ビットを分離させた状態。
シールド形態でベースとなるパーツ(右端のグレー)は丸々余ります。
別売りの「水星の魔女 ウェポンディスプレイベース」があれば、ビットを浮遊させてディスプレイできます。
魂スタンドやアクションベースでもできないことはありませんが、ビットの大半が3mm穴に対応していないため、ストレスフルです……(苦笑)
ビームライフル
本機の携行火器。ビットステイヴを接続し、ロングバレル化することにより、出力ブーストによる高火力化と共に射撃精度が向上する。
バンダイホビーサイト|WEB取説|HG 1/144 ガンダムエアリアル
パーツ2枚での構成。
デザインもシンプルです。
銃口からサーベルを発生させられるほか……
ビットの一部を接続することで高火力モードにも。
高出力モードはガンダムエアリアル(改修型)へのアップデートで大幅に強化されましたね。
ジョイントパーツを介してバックパックにマウントできます。
ビットオンフォーム
分離させたビットを両肩、両腕、両太もも、そして
リアアーマーに接続すると……
高機動・高防御の「ビットオンフォーム」にチェンジ。
アニメでは出撃時からこの形態をとっていました。
ビットステイヴを機体各所のハードポイントに接続することで、ビット本体への電力や推進剤の急速補給が可能になるだけでなく、エアリアル自体にも機動力や防御力の性能向上をもたらす。
バンダイホビーサイト|WEB取説|HG 1/144 ガンダムエアリアル
武装状態
ライフルとシールドを装備させた状態。
ガンダムシリーズでは定番の組み合わせですが、エアリアルはビットを飛ばしながら戦っていたイメージが強いせいか、新鮮な感じも。
シール付属箇所
ここからは色分けがシールで補われている箇所を紹介します。
ツインアイ、リアカメラのメタリックグリーン
いずれもパーツ分割で色分けされていますが、シールを使えば光沢感を出せます。
アレンジ用の赤いシールも付属。
各シェルユニット
胸の◎と頭部以外は非発光状態を再現した黒いシールも付属しています。
胸部にはインモールドパーツも用意されており、こちらを使う場合はシールは不要です。
(左)ビームライフル・スコープのライトグレー
(右)ビットのホワイト
※写真はいずれも塗装で補っています
以上です。
シェルユニットの模様はディテールがなく、シールの使用は必須でしょう。
また、ビットの白シールは形が複雑で貼るのが大変です。
裏面までカバーされていないため、見栄えもイマイチ。
可能なら塗装での対応をおすすめします。
部分塗装箇所
続いては、シールが付属しておらず、色分けに塗装が必要な箇所です。
(左)頭部バルカン銃口のブラック
(右)肩部◎のグレー(前後)
(左上)脚部フィン内部のブラック
(左下)脚部フィンのグレー
(右)足裏のホワイト、グレー
- バックパックおよび脚部スリットの横線をグレー、縦線をブラック
- 腰部のグレー
ビットの着脱を繰り返していると、腰部の塗装が剥がることがあります。
(左)ビット裏側のグレー
(右上)ビットのブルー、グレー、ブラック
(右下)ビット裏面のホワイト、グレー
以上です。
目立つのは足のグレー、ビットのブルーくらい。
全体的によく色分けされています。
アクションポーズ
※写真は随時追加する予定です
HG ディランザ(グエル専用機)と
記念すべきデビュー戦。
パイロットが変わった途端にキレキレになったのが印象的でした。
やはりミオリネではダメなエリクト…(笑)
HGディランザ(グエル専用機)のレビューは以下に。
HG ダリルバルデと
第3話にして白熱のバトル。
改修型以降の暴れっぷりを思うと、このころの戦い方はまだ可愛らしいもので…(^_^;)
HGダリルバルデのレビューは以下のリンクから。
HG ミカエリスと
ミカエリスが初代エアリアルの最後の対戦相手であることは、意外と忘れられがち。
HGミカエリスのレビューは以下からどうぞ。
取扱説明書
「バンダイプラモデルWEB取説」から説明書を確認できます。
まとめ
ということで、「HG ガンダムエアリアル」のレビューでした。
最新作の顔として発売されただけあって、クオリティは2024年現在でも最高峰です。
特に、顔の色分けと胸のインモールド技術は流石バンダイといったところ。
充実の可動範囲で劇中のポーズを簡単に再現でき、組み立ても簡単です。
アニメから入ったガンプラ未経験者・初心者にもオススメできる良キットでした。