本日は「HG ダリルバルデ」のレビューです。
発売は2022年12月。
前腕の換装や、ビームジャベリンの分離など、個性的なギミックが余すところなく再現されています。
各ドローンも着脱可能なため、別売りのディプレイベースと組みあわせることで、浮遊状態での戦闘シーンも再現可能です。
まずはキットデータから。
付属品一覧
余剰パーツはありませんでした。
ダリルバルデ
ジェターク・ヘビー・マシーナリーが第5世代実証機として開発を進めた本機には、次世代のドローン(遠隔操作無人機)兵器技術をモビルスーツで運用することが最優先課題に上げられた。意思拡張AIによって自律行動を行うドローンを人型の機体で扱うにあたり、人体の部位に伴う箇所にその機能を与えることで、根本的な操作感覚の整合性が図られている。このダリルバルデには、革新的技術とされるGUNDフォーマットは採用されていない。しかし呪われた技術で作られたガンダムとは違い、本機にはモビルスーツの正当な進化形としての矜持が込められている。
引用:バンダイホビーサイト|WEB取説|HG 1/144 ダリルバルデ
完全新規造形です。
ポリキャップやABS素材は使われておらず、関節は柔らかいKPS素材となっています。
なお今回もいつも通り、モールドの彫りなおし・スミ入れ・部分塗装(筆)・プレミアムつや消しで仕上げています。
斜めからだとスタイリッシュな印象ですが、正面から見るとややボテッとした感が。
こうした細かな部分にディランザの面影が垣間見えるのは乙ですな。
バックパックが突き出ていますが、重さで倒れることはありませんでした。
また、股関部には3ミリ穴が掘られており、アクションベースや魂スタンドに対応しています。
余談ですが、今回からライティングを変えたので、色味がおかしな写真がちょくちょく混ざっています。
カメラも勉強中ですので、大目に見ていただけると(^_^;)
胸、肩、太ももの計5か所にシェルユニットが配置されています。
キットでは、パーツにシールを貼り、スモークがかったクリアパーツを被せる方式で再現。
ただし、エアリアルのようなインモールドパーツは付属していません。
シールは発光状態と非発光状態を選択でき、今回は発光状態を使用しました。
シールの貼り替えは事実上不可能なので、検討は慎重に。
頭部
センサーはディランザ同様の2色タイプ。
キットでは、イエローのパーツの上に、イエローとグリーンが一体のメタリックシールを貼る構造です。
曲面なうえ、ラインを合わせなければいけないので、難易度はやや高めでした。
色分けの境界線がモールド化されているので、塗装で対応するほうが無難かもしれません。
後ろから見ると、日本兜感も…?
その意図があったとすれば、西洋甲冑風だったミカエリスと対照的ですね。
ラストバトルから逆算されたデザインだったのでしょうか。
頭部中央の線は合わせ目ですが、薄い段落ちモールドに。
少し目立つものの、設定画にも描かれているので、これで設定通りのようです。
また、両側面にも合わせ目があり、こちらは段落ちモールド化もされていません。
胸部・腰部
大型のリアアーマーが特徴的。
リアアーマーのグレーなど、一部は塗装で再現しています。
胸の凸部にシェルアーマーが設置されています。
エアリアルのものに比べると地味ですが(^_^;)
見えにくいですが、腹部側面に合わせ目が出ます。
胴部は段落ちモールド化されていました。
バックパックの接続は2穴式。
エアリアルのバックパックなどと取り換えられます。
ディランザのバックパックも2穴式ですが、パーツが干渉して装着できず。
リアアーマーは裏打ちとともに、ディテールがびっしり。
ただし、裏打ちパーツが股関節と一体化しているため、上下可動はできません。
腕部
スラリと伸びた腕部。
合わせ目部分は段落ちモールドです。
関節と肩ジョイント以外のグレーは、塗装で再現しています。
前面にはシェルユニットが。
緑のラインが綺麗です。
左手のみ平手が付属。
ポージングの幅が広がるので、かなり助かります。
脚部
(デザイン的には)シンプルな腕部に対し、情報量が多い脚部。
膝関節と足首の一部はC型ジョイントです。
すね部の合わせ目は、段落ちモールド化されていました。
もものシェルユニット。
こちらも、エアリアルのものと比べてかなり控えめなデザインです。
足裏は肉抜きされていますが、よく見るとモールドが入っています。
スミ入れをすれば映えるのでしょうが、失敗の予感がプンプンだったので、泣く泣くスルー(^_^;)
膝関節に合わせ目があり、曲げた際に露出します。
おもな可動範囲
肘は二重関節で深く曲げられます。
腰のスイングも上々。
また、肩は胴との接続部から可動し、前方に広くスライドできます。
腰の左右可動も優秀。
反る動きは気持ち程度です。
浮遊しながら突進するポーズなどは苦手。
膝は二重関節で、十分に可動します。
内股、がに股はそれぞれ45度ほど。
ディランザよりやや狭いものの、不便はありませんでした。
フロントアーマーの跳ね上げは、画像の状態が限界です。
また、独立可動にも対応していません。
フロントアーマーの跳ね上げが狭く、リアアーマーに至っては固定式なので、足の前後可動はイマイチ。
つま先はかなり深く倒せますが、これはシャクルクロウ展開ギミックの恩恵ですね。
同じくシャクルクロウ再現のため、後部クローも270度近くまで曲げられます。
開脚と、足首の横可動。
足首は、パーツが干渉する範囲まで曲げられます。
武器類
ビームジャベリン(ビームアンカー/ビームクナイ)
錨形状のビームアンカーと、爪形状のビームクナイを連結させた長尺の近接用兵器。供給エネルギーは機体から両腕を介する直結式で、高出力のビーム双刀による高い切断力を誇る。
引用:バンダイホビーサイト|WEB取説|HG 1/144 ダリルバルデ
本機のメイン武装。
後部にもビーム刃を形成できたり、イーシュヴァラに握らせてオールレンジ攻撃に転用できたりと、ディランザのビームパルチザンよりも使い勝手がよくなった印象が。
分離状態。
左がビームアンカーで、右がビームクナイです。
ビームアンカーの3つの丸は、グレーで塗装しています。
2枚のパーツを重ねたシンプルな構造なので、ビームクナイは側面に合わせ目が出ます。
両手持ちも可能。
ただし、アンカーとクナイの接続部分を握れない分、ディランザのパルチザンよりは自由度は低いです。
ビーム刃をつけると、本体を上回る長さに。
イーシュヴァラ
ドローン機能を有する攻撃ユニットの総称。マニピュレーターが組み込まれている両前腕のユニット(Aタイプ)にはビームアンカーとビームクナイを装備し、背面にマウントされた2基のビームサーベル内蔵タイプ(Bタイプ)と併せて、合計4つの刃で立体的な攻撃を行う。
引用:バンダイホビーサイト|WEB取説|HG 1/144 ダリルバルデ
前腕として使用されているものがAタイプで、バックパックに装着されているものがBタイプです。
マニピュレーターの有無以外は、ほぼ同じデザインでした。
設定通り、Bタイプは前腕にも装着可能です。
Aタイプをバックパックにつけることもできますが、このような運用が想定されているかは不明。
イーシュヴァラを外した状態。
肘、バックパックのいずれも、接続は3ミリジョイントです。
A、Bともに、分離状態でディスプレイできます。
ただ、3ミリ穴が奥まっているので、軸が短しものだと届かないかも。
ちなみに、写真はグッドスマイルカンパニーの「THEシンプルスタンド」を使用しています。
こちらは「水星の魔女 ウェポンディスプレイベース」を使用した状態。
先ほどの写真とは間違い探し状態ですが(笑)、イーシュヴァラ専用のジョイントパーツを介して接続するため、安定性は高いです。
さすがは公式グッズ。
ビームサーベル
イーシュヴァラのBタイプに内蔵された近接用武器で、ビーム砲ドローンとしての運用も可能。上腕と直結することによって、サーベル出力を最大化できる。
イーシュヴァラBの先端にサーベルエフェクトを装着。
イーシュヴァラAと入れ替えれば、一般的なMSと同様の運用も可能です。
ただし、エフェクトパーツはなぜかパープル。
アニメでは緑だったような…。
イーシュヴァラB側の穴が狭いので、抜き差しに注意が必要です。
ほかのキットと同じ感覚だと、ポキっとなるかも。
ちなみに、HGミカエリスに付属するエフェクトパーツを使えば、劇中のカラーを再現できます。
パープルのパーツと比べると、こちらのほうが若干太く、短いです。
ただし、抜き差しに神経を使うな点は変わらず。
HGミカエリスのレビューは以下のリンクからどうぞ。
アンビカー
大型シールド形状のドローン防御ユニット。両肩に装備しており、意思拡張AIに基づいた自律防御行動を行う。
多くの人が真っ先に目を向けるであろう、両肩の大型シールド。
ドローン式のシールドとして、エアリアルの攻撃をことごとく防御するシーンが印象的でした。
各部のグレーは塗装で、中央のグリーンのラインとその周りのブラックはシールで、それぞれ再現しています。
接続部に可動ポイントが設けられており、回転や跳ね上げなどが可能。
ポージングを妨げません。
モールドがびっしりの裏面。
スミ入れがやや大変でしたが、そのぶん見栄えは良好。
3ミリ穴に対応しているため、アクションベースなどで浮遊ディスプレイが可能です。
肩側の接続部はこんな感じ。
汎用性の高い3ミリ穴なので、改造にも使いやすそうです。
シャクルクロウ
有線式の拘束用装備。対象機を鷲掴みにして拘束するほか、電撃を加えて電子機器やパイロット自身にダメージを与えることも可能。
つま先と後部クローを180度倒し、リード線とジョイントパーツを装着することで、射出状態を再現します。
アニメ第3話では、シャクルクロウでエアリアルをわし掴みにし、壁に叩きつけるシーンがありました。
ビームバルカン
頭部に内蔵された牽制用の火器。ディランザの胸部固定装備と同規格のものを採用している。
砲身のグレーは塗装で再現。
パーツ分割が工夫されており、塗装しやすい構造でした。
ペレットマイン
膝部のニークラッシャーから射出されるマイクロ機雷。広範囲に弾幕を展開する。
グレーは塗装ですが、説明書を見るに、○の縁は塗らなくてよかったようで。
もっとも、縁を除いて塗るのも、それはそれで面倒なのですが。
武装状態
武装といっても、ジャベリンを持たせただけですが(^_^;)
ただそのジャベリンがあるだけでも、見た目が引き締まります。
長さがあるので、後ろから見ても映えますね。
シール付属箇所
色分けがシールで補われている箇所をご紹介します。
メインカメラのイエローとグリーン。
下地の成形色がイエローなので、グリーンの部分のみ切り取って貼るのもアリです。
ただし、質感の違いは気になるかも。
各シェルユニットのグリーンとブラック。
発光仕様と非発光仕様がそれぞれ付属しており、組立時に選択します。
貼り替えは不可能に近いです。
シール一覧。
1はメインカメラ、それ以外はシェルユニットに使用します。
2、4、6、8は非発光仕様で、3、5、7、9が発光仕様です。
部分塗装箇所
シールが付属せず、色分けに塗装が必要な箇所です。
本体等 ダークブラウン部
塗装箇所は多いですが、一つひとつの面積は狭いので、労力はさほどかかりませんでした。
ただ、頭部やリアアーマーなど、奥まった箇所の塗装には技術が必要かもしれません。
場合によってはスルーするのもアリかと。
手等 ホワイト部
一度塗っただけだと下地が透けるので、何度か塗り重ねることをおすすめします。
写真のものは2回塗った状態です。
腰部 ブラック部(説明書に記載なし)
説明書には記載されていませんでしたが、腰部の凹みがブラックで塗られているように見えたので、念のため塗装しました。
カラーレシピまとめ
カラーレシピのまとめです。
実際に使用した色は赤字にしています。
色 | 使用塗料(水性ホビーカラー) | 割合 |
---|---|---|
本体等 レッド部 | サーモンピンク | 70% |
ワインレッド | 30% | |
本体等 ダークブラウン部 | マホガニー | 45% |
ホワイト | 25% | |
ブラック | 20% | |
カーキ | 10% | |
手等 ホワイト部 | ホワイト | 70% |
ホワイトグリーン | 20% | |
ペールグリーン | 10% | |
メインカメラ メタリックイエロー部 | シルバー(下地) | 100%(下地) |
クリアイエロー | 100% | |
クリアオレンジ | 少量 | |
メインカメラ メタリックグリーン部 | クリエイエロー | 70% |
クリアグリーン | 20% | |
シルバー | 10% | |
腰部 ブラック部(説明書に記載なし) | ブラック | 100% |
ポージング
※写真は随時追加する予定です
HG ガンダムエアリアルと
アニメ3話の組み合わせ。
並べると、シェルユニットの面積の差がよくわかります。
背はダリルバルデのほうが少し高いです。
前半のグエルはダメダメな印象でしたが、見返すと善戦していたり。
まぁ、大変なのはエアリアル戦以降なわけですが…
HGガンダムエアリアルのレビューは以下のリンクからどうぞ。
HG ディランザ(グエル専用機)と
乗り換え前のディランザと。
同じ会社が作った設定ですが、似ているのは胸部くらいで、共通点は思いのほか少なかったです。
HGディランザ(グエル専用機)のレビューは以下のリンクからどうぞ。
取扱説明書
高画質で印刷したい場合はバンダイホビーサイトのWEB取説サービスをご利用ください。
おわりに
ということで、「HG ダリルバルデ」のレビューでした。
アニメで使用されたギミックが余すところなく再現された本キット。
二刀流、槍、サーベル、オールレンジ攻撃と、さまざまなタイプのポージングを楽しめます。
無塗装でも見栄えはよいですが、グレーを足すと引き締まってなお良し。
不満点はサーベルエフェクトがパープルなことと、サーベルエフェクトの差込口が狭いことですね。
前者はミカエリスのものを借りれば解決できますが、後者は折れた場合のダメージが大きそうなので要注意です。
不安な場合は、穴を広げるのも選択肢かもしれません。